CONCEPT
目を惹き、音を引く空間へ
音響メタマテリアル技術を応用した硬質吸音パネル「iwasemi™ SQ-α」は、細部まで佇まいにこだわった吸音材です。
iwasemi™ だからできた、空間になじむ硬質な素材・多彩な塗装表現。
目を惹き、音を引く空間を実現します。
任意の周波数帯で高い吸音率を実現
iwasemi™(イワセミ)は、音響メタマテリアル技術にピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)独自の吸音設計技術を応用することによって開発された吸音材です。iwasemi™の適用シーンは、工事、建材、什器、鉄道、自動車など社会の様々な分野にわたります。iwasemi™吸音材には下記の3つの特徴があります。
① 吸音周波数特性の柔軟性
② 高い吸音率と薄型化の両立
③ 素材の選択自由度と加工自由度の高さ
Material :ABS樹脂(再生材60%)
Weight :300g
Technology :特許出願中
Length :225×225×34mm
カラー :全9色
※ 2022年10月時点
音響メタマテリアル技術を応用した独自の吸音設計技術
メタマテリアルとは、波長以下の微細な周期形状を物質に付与することで、自然界にはない振る舞いをする人工物質の総称です。音波の分野へこの概念を適用することにより、自然界にはない音響特性を持った物質を生成する技術が音響メタマテリアル技術です。
PxDTは、多数の共鳴吸音構造を周期的に並べたメタマテリアルの基本構造(以下、スーパーセル)を事前設計によりライブラリ化しており、その中から適用シーンに応じて適切なスーパーセルを選択、さらに詳細な設計パラメータを最適化することによりニーズに応じた吸音性能を持った吸音材を生成しています。
iwasemi™の由来
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」
松尾芭蕉が夏の山寺(立石寺)で詠んだ名句である。一心不乱に鳴く蝉たちの声が岩肌に打ちつけられ、淡く反響する。「閑かさ」は、芭蕉のいた音空間の描写であるが、「静かさ」ではない。芭蕉がいた空間は無音だったのではなく、深閑な音で満たされている澄み切った空間だったのだろう。そして、実はこれは物理的にも妥当な解釈である。なぜならば、岩は非常に硬く、空気との音響インピーダンス(素材の音響的特性を表す値)の差異が大きすぎるために、残念ながらそこに音が染み入ることはほとんどなく、ほぼ全てが反射されるからである。ただし、岩の表面は凸凹していて、音が高く波長の短い蝉の声はほぼ乱反射となって四方八方に拡散され、音が霧散するようにも感じられる。その現象が、岩に音が染み入っているような感覚を生じさせたのだろう。